歯を食いしばって頑張る姿を見せる歯医者さんのプロレス
9月13日、DDT後楽園ホールで上野勇希vs勝俣瞬馬戦を最後まで見届け、光の速さで水道橋駅へ。事前に島田裕二レフェリーへ「取材後に向かうので、武藤さんのトークライブ開始ギリギリになると思われます」と連絡を入れていたが、それよりも少しだけ早く着きそう。とりあえず、総武線に乗ってホッとする。
西船橋から武蔵野線に乗り換え1つ先の南船橋へ。ここには1992年8月2日にW★INGプロモーションが松永光弘vsミスター・ポーゴのファイアーデスマッチを開催した駐車場があった。今では人工スキー場・ザウスともどもその痕跡も一切なく、IKEAやキャパシティ1万1000人の大会場・LaLa arena TOKYO-BAYといった施設が並び建っている。
武蔵野線をはさんだ向こう側には前回も触れた船橋ららぽーとがあり、DDTのビアガーデンプロレスに週一で通っていた。そこから「ふなばしミートフェスタ&ボンバイエ2026」の会場である船橋港親水公園は徒歩15分ほどとのことだったが、急いでいるのでタクシーへ乗り30分前に到着。
受付で対応してもらっていると、たまたま通りがかった富山智帆リングアナウンサーに案内していただき、シマちゃんとゴウリュウマ。16時からの武藤敬司トークショーは、公園の入り口ド正面に設置されたステージ上でおこなうとのことだった。
その横にあるテント控室にいくと武藤さんが待機している。私が着く前に「船橋ゴールデンプロレス」なるものがおこなわれたようで、そこへ出た大和ヒロシ君津市議会議員やランジェリー武藤選手などが入れ替わり立ち替わり挨拶へ来る。この時のランジェリー氏の言葉が振るっていて「すいません、先にやらせていただきました」。

プロレスにあまり知識のない船橋市民がランジェリーを見た時「あれ? 武藤は16時から出るんじゃないのか?」と言ったとか言わなかったとか
これは先にプロレスの試合をやったという意味なのか、それとも先に武藤敬司をやったという意味なのか。おそらく後者と思われる。
まるで残像のような絵ヅラだったので、すかさず写真を押さえてランジェリー氏に送るも、それよりも遥か先に本家・武藤さんの方がポストしていた。どんだけのモチベーションなのかと。
ほかにも公園内ではフツーにキム・ヨッチャン先生&軍団ひとりの兄弟や、遠藤まめさんなどがほっつき歩いており、船橋市という街の磁場はどうなっているのかと思いたくなるような情景。そんな中、16時少し前からシマちゃんと私で前説。
船橋市在住の島田さんはイベントプロデューサーとして携わっており、今年で6度目の開催。船橋のプロレス関連といえばなんといってもKENSO&元・同市議会議員の鈴木浩子ご夫妻だが、シマちゃんも地域活性化に一役も十役も買っているのだ。
富山アナの呼び込み(武藤さんをコールしたのは初めてとのこと)と「HOLD OUT」に乗って武藤敬司登場。ステージのバックは船橋港とあり、海を背中にトークをする経験はかつてなかったらしい。

海をバックにトーク。ファイアーデスマッチから34年…船橋でこのようなシチュエーションを味わえるとは思わなかった(武藤さんのXより)

時間帯的に逆光となってしまったが、それによって武藤さんの後光が差しているかのようだった(写真提供:ともさん/@0459_TOMO)
トークはまず、引退してからもタレント活動が盛んで、テレビでもよく見られるのは喜ばしいと振ると、本人はそこまで出まくっているわけじゃないと否定。でも、プロレスラーを引退した現在の肩書は「タレント」でよろしいですよね?と聞くと「俺、今は無職」と早くも武藤節がサク裂する。
おそらく船橋市民の全員が「こんな有名な無職がいるか!」と突っ込んだと思われる。そのテレビの仕事では、現役の頃よりも長州力さんと一緒になる機会が多くなり、このトシになっても叱られるとボヤく。話を聞くと、長州さんから武藤さんに確認するケースが多く、それに答えられるよう努めるのでほとんどマネジャー業務なのだ。
さらに、引退後は海外から呼ばれる機会が増えたとも。11月にはクリス・ジェリコが主催する“ジェリコクルーズ”にグレート・ムタとして招待され、マイアミ-バハマの豪華客船旅にいってくるという。これはすでに公式サイトでもアナウンスされている。
「そこには世界中から富豪が集まるらしいんだよ」と嬉しそうに語る武藤さん。すでにその目は“$”の文字が宿っており、スケールがデカすぎるタニマチ獲得を目論む。
