大岩vs上村戦の影響力…技を使う側、見る側の意識の変化
8月21日はGLEATのBASEMENT MONSTAR大会へ。この日より同会場で5週連続開催するという新たな試みで「Underground Pro Wrestling」と銘打たれている。これまで同会場は主に無観客のYouTube配信マッチで使用してきたが、9月末で新宿FACEが閉館するとあり、こちらの回数を増やしていく方向なのだろう。
7・1SGC HALL ARIAKEの翌日、後夜祭的な大会で使った時は極めてリングに近い客席及び密閉空間ということで、盛り上がった。コール&レスポンスがしやすい点でもGLEATとは相性がいい会場に思えた。
早めに家を出て、王子駅へ到着するやまず向かったのは徒歩1分ほどの日高屋。BASEMENT MONSTARにいったことがあるプロレスファンも一度はその前を通るか、あるいは実際に利用しているだろう。
7月22日に発刊された清野とおる著『壇蜜』3巻に2019年の婚姻届を出した時の話が描かれており、それを見ると区役所へいく前にお二人が待ち合わせした場所として、その日高屋が出てくる。前述通り、ベスモンへいくたびに前を通っていたから「ええっ、あそこに清野とおると壇蜜が来たの!?」と衝撃を受けたのだ。
この作品は壇蜜という類まれなる生命体の生態をもっとも至近距離からリポートしており、文化人類学的にも貴重なものとして爆発的に売れている。通常は聖地巡り的なことはやらない私だが、自分の日常の中に出てくる場所となれば話は別。思えばまだ一度も利用していなかったので、これを機にいってみるべとなった。
コミックでは「立ち飲み日高」だったのが、業務形態が変わったようで「焼鳥日高」となっている。イメージの中ではノーマルな「日高屋」だと思っていたので、焼鳥店へと変貌していることは、漫画に出てこなければ気づかぬままだったかもしれない。
ちなみに、王子駅前にはもう一軒「日高屋王子駅前明治通店」があるらしい。一瞬、そっちかもと思ったが、清野氏の絵を見ると上に線路が通っているように描かれていたので、やはりこちらで間違いないと確信(ネームにも「王子駅高架下の」とある)。

店名は変わりましたが、どう見てもここですよね。お二方はここで待ち合わせして区役所へ向かい、婚姻届を提出して、めでたく夫婦になった
入店し、二人が座ったと思われるテーブルを探す。そのコマは写真が使われていたので、背景がよくわかる。ところが店内を物色していると「お一人様ですか? こちらでお願いします」と、強制的にカウンター送りとされてしまった。おそらく不審なムーブをかましていたのだろう。
店内ではいたってフツーに食事。16時代は地元のおじさんおばさんたちの飲みの場になっており、私の隣に一人で座るおっちゃんも焼鳥をつまみながらビールをかっ食らっていた。立ち飲みから座り飲みに変わっただけちゃうんかと思いつつ、シンプルに串物と白飯を注文。
これは家でもよくやるのだが、焼鳥を串から外し、ご飯の上へ乗せて焼鳥丼をしゃれこむのだ。ただ、注文したあとに気づくのだが鶏はぼんじりだけで、あとはかしらとシロ。豚の方がマジョリティーになっていた。

焼鳥と焼きとんを注文し、やたら具の多い“焼とん鳥丼”が完成。( ゚Д゚)ウマー
とはいえ、お腹もすいていたので満足到達。こういうカスタマイズ的なものは、清野氏も好きそうな方向性だと思った。
結局、お二人が座ったテーブルは利用できなかったものの、単純にうまかったので問題なし。店を出たあとは、大通りをはさんで向かいにある海鮮居酒屋の外観を押さえる。そこは入籍を済ませた壇蜜さんが世田谷の自宅へ戻ったあと(双方別居婚を希望)、付き添いで来てもらっていた編集者さんと軽く飲み直すために入った店として登場する。
ただし、こちらも当時あった「さかなや道場」から「魚星」に店自体が変わっていた。6年も経てばそれも不思議ではないが、日を改めていこうと思っただけに至極残念だった。

こちらもBASEMENTへ通う層のプロレスファンには見覚えのある風景
というのも、漫画に出てくる「大トロの刺身」にすこぶる惹かれたからだ。清野氏いわく「超トロといっても過言じゃない」ほどのトロっぷりだったらしい。人生における大切なものを一つ失ったような感覚だ。
どう見てもこのtheLetter用のネタ作りのためにやっているとしか思えぬ行動を遂行したあと、数分でBASEMENT MONSTARへ。この日はコメンタリー実況がないので、記者席に座りカメラで写真を押さえながら試合を追うことに。いつもは客席後方まで引いて撮るが、ここは小さい会場ゆえ最後列すぐ後ろのマスコミ席からだとほとんどリングサイドと変わらぬ絵として写る。
全6試合うち1試合はG-RUSHのタイトル戦。小規模の会場でもベルトが懸かった試合を組む当たりにGLEATの姿勢がうかがえる(渡辺壮馬がジュンジェに防衛)。その中で印象に残ったのは、第1試合だった。

密閉空間の雰囲気はGLEATに合っている。この日は完売札止めに
ベテランであり、団体でも指折りの試合巧者であるKAZMA SAKAMOTOと、これがデビュー13戦目の新人・山本丈のシングルマッチ。立ち上がり、山本は基本通りにKAZMAのリストを獲って絞る。だが、明らかに手首の極め方が甘く、やられながらKAZMAが「なんだその絞り方は!」「極まってないぞ」と指摘する。

手首が逆にひねられていないので、極まっていないのは明らか、KAZMAはそれを観客に伝えた
その後はKAZMAがヘッドロックで山本の動きを止める。攻防としては日頃から見られる、いわゆる序盤ならではの場面だ。
ただ、どこか今までとは場内の雰囲気が違う。それは、技を出す両選手よりもむしろ見る側の受け取り方によるもののように思えた。
