59歳11ヵ月と30日の夜は、パンダとともに
9月2日、ついに五十代最後の日を迎える。普段は自分の誕生日などまったく意識もせず「9月3日はドラえもんと一緒」という事実しか人生において活用することはないまま来たのだが(木村花選手と同日というのは誇らしい)、私の場合は現在の身なりでありながら「還暦」なるパワーワードが否応なく訪れる事実自体もはや笑えるネタなので、今年に関してはこうして引っ張ろうと思った。
そんな本日はまず、某プロレス団体さんとの打ち合わせ。私はどこの媒体にも属さぬ一ライターである。つまり「こいつを囲っておけば誌面的に優遇されて、たくさん載るかも。表紙になるかも」的なメリットはビタ一文ない。
にもかかわらず、こちらの考えを伝えると正面から受け止めて真摯に聞いていただける。フリーになった以後、あからさまに「このライター風情が」という態度が伝わってくるようなこともあった中で、こうしてごく当たり前のコミュケーションをとれ、その上でこちらの存在を尊重していただけるお相手に巡り合えているのが、心底嬉しい。
綺麗事や社交辞令ではなく本心で「力になりたい」と思えるのは、やはりそういう方々に対して。フリーだからこそ、看板ではなく個を見られる…いや、見ていただけている。それは、身一つでやる人間として理想的な受け取られ方だ。人間は、自分よりも他者のために動く時こそとてつもないパワーを発揮することを、私はプロレスを通じて学んだ。自分もそうならなければと、思う。
打ち合わせ後は水道橋へ。東京ドームシティラクーアガーデンステージにておこなわれるウナギ・サヤカ自主興行「殿はご乱心 ウナギ・サヤカ40歳まだ誰のものでもございません。」へ。第0試合にアンドレザ・ジャイアントパンダが出場し、ウナギと2度目の一騎打ちをおこなうとあり、間に合うよう急ぐ。
前回は2025年11月16日、プロレスリングWAVE札幌大会で実現しており、その時はアンドレザが貫録の勝利を飾っている。実は2024年に映画『無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語』が公開されたさい、舞台挨拶の場でアンドレザ選手に今後闘いたい相手を聞くと、ウナギ・サヤカの名前をあげていた。それが本当に実現したものだから、けっこう驚かされた記憶がある
人間に夢を与えるパンダだが、意外と本人…いや、本パンダの夢もかなえるものなんだなと。そして、それから1年も経たぬうちに東京で再戦が組まれようとは、想像の上をいっている。
ラクーアのロゴをバックにリングへ上がったアンドレザは、さすが絵になる。新木場1stRINGのような密閉空間だとその巨大さも際立つが、開放的な野外だとまた違った趣きとなって映える。アンドレザさんは生まれながらのフォトジェニックなので、月の上だろうがネットカフェの個室だろうが、どこにいても強い絵力を発揮するに違いない。

頭上をジェットコースターが通過する中、水道橋の東京ドームシティに出没したアンドレザ・ジャイアントパンダ
雪辱を誓うウナギ(自身の誕生日にパンダと闘って勝った初の人類になれる可能性が)は、ぱぱぱ令和パーティーメンバーの総動員、ゴムパッチン攻撃、顔面絞りと、3つの手札をもってなんとかしようと試みたものの、冷静沈着なアンドレザは全く動じず。掟破りの逆ゴムパッチンも見せる。

一応ぱぱぱ総出で一匹のパンダをいたぶっているシーンなのだが風体が風体だけに、一緒に戯れているようにしか見えない


ゴムパッチンを仕掛けられながら、ドリー・ファンクJrばりの冷静沈着さで切り返し、ウナギを悶絶させる

場外戦では会場スペースの芝生広場を飛び出し、一般の皆様が通行するところまでいってしまう。銀だこの前を通過するパンダ