プロレス映画作品をラダーした一日
1通目のtheLetter配信を正午にセットしたものの、登録していただいた方に無事配信されるか心配で、自動送信設定をしながら結局は正午になるまでPCの前にいた鈴木健.txtです。
自分で登録したアドレスに送信されてきたので、たぶん大丈夫だろうと向かったのは新宿の映画館・K’sシネマ。本日より元・九州プロレスのバリカラヒーローことめんたい☆キッド選手…いや、今は引退したのでめんたい☆キッドさんの半生を描いた『無敵なカタチ』を見る。

九州プロレスは2年ほどコメンテーター(解説)をやらせていただいたこともあり(また呼んでくださいm(__)m)映画が製作されると聞いた時は、喜びつつも「見たいけれど九州限定上映だろうな」と思っていたのだが、ちゃんと全国公開です。よかった。
プロレスラーのドキュメンタリー映画はけっこうある中で、この作品がほかと決定的に違うのは九州プロレス特有の会場における現場音。めんたいさんは現役時代、マスクマンということでチビっ子たちの圧倒的な人気を誇っていた。だから過去の試合映像のどれを見ても、とにかく子どもの歓声と声援がすさまじい。いや、厳密には歓声1で声援9なのではと思う。
プロレスを見て喜んだり、応援している選手が攻めたり勝ったりした時に、歓声(歓びの声)は出るわけだが、めんたいさんファンの子どもたちはそれよりも応援したい気持ちの方が先に先にと発露するため、最初から最後まで声援を飛ばしているのだ。
現場にいっていた時点で九プロは子どもの観客が多く、そして声も大きいと実感していたにもかかわらず、まるで新たな発見のような新鮮味を覚えたのは、映画ならではの音の調整が施されていたからなのか。とにかく中継や配信、映像媒体を通しての音質とは別モノに感じた。
おそらくそれらを通して聞いた場合や、あるいは現場の音声は子どもたちの声と、通常の大人たちによるどよめきや歓声が混然一体となって耳に飛び込んでくるはず。それに対しこの作品は、その2つがキッチリと分かれていて2TRACKの音を同時に流している二重層的感覚となった。それほど、チビっ子たちの熱量がすごいということだ。
九プロにおける子どもたちの存在に関してはよく語られていることだが、そうした予備知識がありながらその音量には圧倒させられるはず。言うまでもなくほかにもチビっ子の観客が多い団体はあることを前提としても、それとは違った質感を覚えると思われる。
似た感じのものをあえてあげると、初代タイガーマスク黄金期の会場サウンドに近いのではと思う。重要なのは、めんたいさんと九州プロレスが旗揚げから17年もの時間をかけて築き上げてきた独自の文化であり、財産だということだ。
では、なぜそこまでめんたいさんは子どもたちを夢中にさせたのか。その理由がこの作品では描かれている。そして2028年開催を掲げる福岡ドーム進出を前に、引退という道を選んだ真意も本人が語った。